福祉施設の安全と「開かれた場所」の両立について

先日、埼玉県鶴ヶ島市にある高齢者施設で、外部からの侵入者によって入所者の方が命を奪われるという、非常に痛ましい事件が起きた。
埼玉の高齢者施設で入居女性2人が血流し死亡 22歳元職員を殺人容疑で逮捕 動機は不明
<引用元>https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000460047.html(テレ朝ニュース)
この事件を受けて、厚生労働省は全国の福祉施設に対して、「防犯対策をしっかりと見直してください」と呼びかけがあった。私たち福祉の現場に関わる者としても、他人事ではない。
ただ、ここで考えたいのは「防犯=閉じた施設」ではないということだ。
施設を守るために“閉じる”だけでいいのか?
もちろん、防犯のために鍵を強化したり、カメラをつけたり、出入り口を制限したりすることはとても大切だ。でも、それだけでは「地域とつながる福祉」「人が集まる居場所」としての施設の良さが失われてしまう。
私たちは子どもから高齢者、障がいのある方まで、地域で暮らすすべての人が安心して過ごせる場所を目指している。そのため「開かれた場所」であることも、同じくらい大切だと考えている。
防犯と地域のつながり、どちらも大事にするには?
では、どうすれば「安全」と「開かれた雰囲気」を両立できるのだろうか。
私たちができる工夫をいくつか挙げてみる。
① 出入りのルールを見直す
- 誰でも自由に入れるのではなく、受付で名前を書いてもらう。
- ボランティアさんや来客の方には名札をつけてもらう。
- 夕方から夜は入口を一つに絞り、職員が対応するようにする。
② 地域の人たちともっと顔なじみに
- 施設のお祭りやイベントに地域の人を招く。
- 地域の学校やお店とつながっておく。
- 民生委員さんや町内会と情報交換をする。
顔が見える関係があるだけで、「不審な人」が目立ちやすくなる。地域ぐるみの見守りも、防犯につながる。
③ 利用者やご家族にも説明する
「なぜこんなルールがあるの?」という疑問にしっかり答えることも大切だ。
「安全のためにこうしています」「でも地域の人ともつながっていきたいんです」と丁寧に伝えることで、信頼関係が育まれていく。
私たちの施設でも見直していきたいこと
私たちのような多世代が集まる福祉施設では、いろんな人が出入りする。だからこそ、安全を守る工夫と、地域とつながる工夫の両方が必要だと思う。
- 出入口や窓の安全点検を定期的にする。
- 防犯カメラや鍵の設置状況を確認する。
- ボランティアさんへのルール説明をしっかり行う。
- 子どもや高齢者が地域の中で安心して過ごせる空気をつくる。
これからも、ただ閉じるのではなく、「地域と一緒に守る施設」でありたい。
最後に
「誰でも安心して過ごせる場所をつくりたい」
これは福祉の原点でもある。
事件が起きたからといって、すべてを閉ざしてしまうのではなく、どうすれば安全と安心を両立できるかを、これからも地域の皆さんと一緒に考えていきたいと思う。
そして「こんなふうにしてみたら?」というご意見があれば、ぜひ教えてください。
福祉は一人ではつくれません。
みんなで一緒に考えて、支え合っていくことが、何よりの防犯にもつながると信じて活動していきたい。








