「子ども第三の居場所」包括ケアモデルの開設と車両整備事業事業の助成金のご報告。

「子ども第三の居場所」包括ケアモデルの開設と車両整備事業事業報告書

1. 事業名

 茨城県稲敷市における「子ども第三の居場所」包括ケアモデルの開設と車両整備事業

2. 事業実施団体
  • 名称:社会福祉法人蒼天
  • 所在地:〒300-0743  茨城県稲敷市曲渕3-1
  • 代表者氏名:理事長 根本敏宏
  • 担当者氏名:根本真子
  • 連絡先:電話番号:0299-77-5260   /  メール:kodomo@so-ten.org
3. 助成金交付団体名

 公益財団法人 日本財団

4. 助成金交付額

 53,500,000円

5. 事業実施期間

 2024年4月1日 ~ 2025年4月30日

6. 事業の目的

 生き抜く力を育む「子どもの居場所」を開設・運営する。行政、NPO、市民、企業の方々と協力し、誰一人取り残されない地域子育てコミュニティをつくることで、「みんなが、みんなの子どもを育てる社会」を目指します。

7. 事業目標

本事業の実施により、以下の成果を達成することを目指します。

  • 2025年4月1日までに「子ども第三の居場所」包括ケアモデルを開設する。
  • 運営開始までに関係各所(自治体・学校・SSWなど)へ事業の説明会を実施する。
  • 2025年9月30日までに一日平均利用児童数を10名にする。
  • 児童への居場所、食事、生活習慣支援、学習支援などの安定的な提供。
  • ボランティア等の地域住民や、行政、学校との関係構築。
  • 子どもの「経験の不足」を解消するような定期的なイベントを事業期間内に年4回実施し、子ども食堂は毎月1回実施する。
8. 実施内容
  1. 茨城県稲敷市における「子ども第三の居場所」包括ケアモデルの開設
    • 物件現況:公共用施設(築35年)
    • 取得形態:行政財産賃貸契約済(使用料減免)
    • 工事内容:木工事、電気工事、空調設備工事、設備配管工事、弱電工事、サッシ入れ替え工事、サイン工事
    • 施設名称:みんなの学校いなしき
    • 面積:総面積約1,457m2、951m2(普通教室棟校舎2階建)、1,457m2(特別教室棟校舎3階建て)、720m2(体育館)
    • 構造:鉄筋コンクリート造
    • 施設概要:食事・交流・学習スペース、キッチン、お風呂、相談室など
    • 定員:子ども20名
  2. 茨城県稲敷市における「子ども第三の居場所」包括ケアモデルの車両整備
    • 整備車両:乗用1台
    • 整備状況:利用児童の送迎のための整備
    • 定員:8名
9. 事業実績

(1)開設工事

  • 特別教室棟1階工事概要
    • 旧教室 → 遊び場兼共有スペース
      防火壁増設、エアコン設置工事
    • 旧図書室 → 図書室兼学習室
      防火壁増設、エアコン設置工事
    • 旧理科準備室 → スタッフルーム・相談室
      間仕切壁、防火壁増設、エアコン設置工事
    • 旧理科室 → リビング・ダイニング・キッチンスペース
      防火壁増設、エアコン設置工事、キッチン・ガス等設置工事
    • 旧女子トイレ → だれでもトイレ・女子トイレ
      トイレ改築工事
    • 旧男子トイレ → 使用禁止
    • 廊下の一部 → 浴室・脱衣スペース
      浴室・脱衣所改築工事
    • その他
      エントランス改築工事、空調・電気工事
  • 実績
    当初計画していた通り、ほぼ建築することができました。工事金額の高騰等あったが、工事内容の金額面での修正や計画の段階でメインバンクと融資の相談をしていたので、資金調達も滞りなくできました。
  • 課題
    サイン計画・男子トイレの整備ができませんでした。そのため女子トイレに集約して、男女・だれでもトイレを整備しました。どちらも工事金額の高騰、また廃校の施設改修のため、着工してから出てきた課題、用途変更の調整で思ってたより時間とお金がかかってしまったことが原因です。

(2)車両整備

  • 車両整備概要
    日産 キャラバン送迎車 標準幅ロング標準ルーフ ワゴンDX
    10名定員
  • 実績
    複数の会社と見積もり合わせ等の商談を進めていたので、定員数の増加した車で納車することがでました。
  • 課題
    納車の時期が遅れてしまいました。思っていたより、注文から納車までの期間が長く納車時期がずれ込んでしまいました。もっと早く、商談を進めていく必要があったと思います。

(3)事業実施によって得られた成果

  • 「子ども第三の居場所」包括ケアモデルの開設
    これまで当法人では、生活困窮世帯の家庭の子どもを対象に毎週土曜日のみ子どもの学習支援を行ってきました。
    今回、子どもの第三の居場所事業を開設したことで、以下の3つが大きな成果です。
    • 「生活困窮世帯の家庭の子ども」以外の支援が必要な子どもたちへ支援が提供できる。
    • 月曜日から金曜日まで毎日の支援が提供できる。
    • 包括ケアモデルを開設したことで、これまで行えていなかった食事、入浴、歯磨き等の日常生活支援を毎日提供できる。
  • 車両整備
    事業専用の車両を整備したことで、ご家族が送迎できない家庭の子どもでも送迎できるようになりました。稲敷市は、公共交通機関が少ないため車での移動が基本です。そのため、移動が困難な子どもが利用できるようになったことは大きな成果です。

(4)活動を通じて明らかになった新たな課題と対応案

  • 「子ども第三の居場所」包括ケアモデルの開設
    小学校低学年のみではなく、高学年も含めると一緒に活動をする際の能力の差、理解の差、時間の差が生まれます。そのため、個々の力を発揮できるような活動内容を構築していくことが必要だと感じました。集団の力や高学年の子どもは、役割を明確に与えることで、活動への意欲を低下させない関わり方を持つようにスタッフが工夫していいきます。
  • 車両整備
    各学校へのお迎えの時間によって、対象児童の安全確保が課題です。学年によって下校時間が異なるため、低学年を先に迎えに行くが高学年の下校時間までどのように安全に過ごすか、過ごす場所を決める必要性があります。
    また市内の小中学校をエリアにわけて送迎を実施しているが、下校時間に迎えに行ける場合と下校時間から15分から25分時間が空いてしまう場合もあるため、今後利用児童が増えた際にどのように待つか、待つ場所も含めて検討していきます。
  • 情報発信
    拠点の情報やイベント開催の情報発信の方法を、保護者との交流を通して良い方法を検討していく必要があります。また、配信アプリや紙の手紙を通しての案内を見ない、知らない保護者も一定数いるため、学校や教育委員会との協力体制も築けるようにしていくことで情報発信の方法を改善していきます。
10. 助成金の使途内訳(会計報告)

(収入の部)

項目金額(円)備考
日本財団開設助成金収入50,000,000
日本財団車両整備助成金収入3,500,000
自己負担6,742,518
収入合計60,242,518

(支出の部)

項目金額(円)備考
本工事費46,497,000特別教室棟各種工事費
本工事費872,300カーテン工事費
本工事費299,530給湯器・ガス配管工事費
設計管理費8,415,000設計業務委託費
事業費支出3,496,400車両運搬具支出
事業費支出662,288家具購入費
支出合計60,242,518
11. 今後の運用・維持管理計画
  • 施設は定期点検を行い、安全性を維持する。
  • 車両は適切に保守・点検を行い、長期運用に努める。
  • 維持費用については法人の自主財源で管理する。
12. 建築物写真
13. 車両写真

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