第1部 いま「不登校」とどう向き合う? 〜広がる背景と変わる見方〜

― 増え続ける「学校に行けない子どもたち」と、その背景を考える ―
みなさんは「不登校」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
「怠けている?」「甘えてる?」
そんなふうに思ってしまう方も、もしかしたらいるかもしれません。
でも今、不登校は誰にでも起こりうる“身近な問題”になっているんです。
文部科学省の調査によると、令和4年度の小中学生の不登校数は約29万9千人。
これは前年から22%も増えた数字で、高校生も含めると34万人を超える子どもたちが「学校に行けていない」状態にあります。
もはや不登校は「特別な子の話」ではありません。
社会全体で向き合うべきテーマになってきているのです。
不登校って、そもそもどういう状態?
昔は「登校拒否」や「怠学」と呼ばれ、「本人のやる気がないから」といった見方も多くありました。
でも今では、「心理的・情緒的・身体的・社会的な理由によって、登校できない状態」とされています。
つまり、不登校は“本人の責任”ではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って起きるものなんです。
不登校になる理由はひとつじゃない
実は、不登校の理由はとても多様です。
たとえば…
・学校生活にうまくなじめない(集団生活が苦手)
・友達や先生との関係がうまくいかない
・発達特性や感覚の敏感さなど、見えにくい困難がある
・家庭の問題(親の病気、経済的な不安など)
・自信が持てず、自己肯定感が低下している
そしてここ数年では、コロナ禍の影響も大きく影響しています。
リモート授業や外出自粛を経験した子どもたちの中には、「学校に行かない生活」が心地よくなってしまったり、急にまた集団生活に戻ることに強いストレスを感じるようになったケースもあります。
問題は「行ける・行けない」じゃなくて、「つながれるかどうか」
不登校の本質って、「学校に行ってるかどうか」ではないんです。
大事なのは、その子が社会とのつながりを持てているかどうか。
学校が安心できる場所でなくなったとき、「行かない」という選択は、子どもが自分を守るための精一杯の行動なのかもしれません。
だからこそ支援の方向性も、「どうやって学校に戻すか」ではなく、
「その子が安心して、自分らしく過ごせる場をどう作るか」にシフトしていく必要があります。
実はこれ、2016年にできた「教育機会確保法」という法律にも書かれていることなんですよ。

見えにくい“助けて”に気づけていますか?
私たちが出会った子どもたちの中には、こんな声を聞かせてくれた子もいました。
「元気に見えるかもしれないけど、本当は毎日ものすごくしんどい」
「理由がわからないけど、ただ“行けない”自分がつらい」
表面では笑っていても、心の中では傷ついている子どもたちはたくさんいます。
だから大人たちは、「なんで行かないの?」と問い詰める前に、まずは“気持ちに寄り添うこと”がとても大切なんです。
そして、教育や医療、福祉などいろんな立場の人たちがチームで関わることも、これからの不登校支援には欠かせません。
まとめ:不登校は「特別」じゃない
不登校は、誰の身にも起こりうることです。
「うちの子だけが…」
「このままでいいの?」
と不安になる気持ちもわかります。
でも、焦らなくて大丈夫。
子どもたちは今、自分のペースで「回復の途中」にいるのかもしれません。
大人ができるのは、
「その子の気持ちを受け止めること」「安心できる居場所を一緒に探すこと」。
それが、次の一歩につながっていくはずです。

次回は、「不登校の子どもたちを支えるために、地域や支援機関は何をしているのか?」をテーマにお届けします!
フリースクールやNPO、福祉の現場でのリアルな取り組みを紹介しながら、一緒に考えていきましょう!








