地域と福祉の分断 #04 廃校から生まれる希望 ― 「わたし」と「あなた」の距離をなくす場所が動き出している

■ 廃校に、ふたたび人の息づかいを

かつて子どもたちの笑い声が響いていた小学校の校舎が、いま再び光を取り戻そうとしている。
長いあいだ使われなかったこの場所が、いま“みんなの居場所”として動き始めた。

少子化が進み、学校がなくなっていく町のなかで、「もう一度この場所に人のつながりを取り戻したい」と願って始まったのが、ぼくたちの「廃校を活用した地域協生プロジェクト」。

さまざまな準備と実践を重ね、地域のみなさんや行政、企業、大学、ボランティアの協力を得ながら、少しずつ形が見えてきた。

■ 教室には子どもの声、地域の人の笑顔

今、校舎の一部では子どもたちの学習支援教室が開かれ、放課後になると「第三の居場所」として子どもたちが集まり、勉強や遊びを楽しんでいる。

元パソコン室だった部屋は共有スペースとして生まれ変わり、月に1回、子ども食堂として地域の方々と子どもたちが一緒に食卓を囲む場になった。

また、障がいのある人の就労支援の拠点として、企業から依頼された軽作業や地元農家のお手伝い、さらに弁当の製造・販売事業も進めている。

グラウンドでは季節ごとのイベントやお祭りを行い、今後はBBQやキャンプもできる公園化計画も進行中しいるところだ。

■ 「支援する/される」を超えて

この場所では、「支援する人」と「支援される人」を分けないことを大切にしている。

子どもがお年寄りにスマホやゲームの使い方を教え、お年寄りが料理を子どもに教える。
障がいのある方が地域の困りごとをサポートし、できないことは地域のみんなで支える。

そんな“交ざり合い”の風景が、少しずつ日常になりつつある。

「誰もが学び、誰もが教えることができる。」

この場所に関わるすべての人が、何かを教え、何かを学びながらつながっていく。
それが、このプロジェクトのいちばんの魅力だと思う。

■ 校庭が、まちのリビングへ

20251122_第2回蒼天祭

先日は、みんなの学校いなしきで「蒼天祭」を開催した。
子どもも大人も障がいのある人も、地域の方も一緒になって、音楽・屋台・アートを楽しむ一日となった。

「久しぶりにこの校庭に人が集まってうれしい」と喜ぶ地域の方の姿もあったのは嬉しいこと。

校庭の真ん中にキャンプファイヤーを囲み、世代や立場を超えて語り合う夜。
その光景は、まさに「わたし」と「あなた」の距離が消える瞬間だったんじゃないだろうか。

■ いま、希望はこの場所から

このプロジェクトは、「ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)」の理念のもとに進めている。

どんな人も排除されず、社会の一員として生きられるように。
「あなたもここにいていい」「わたしもここにいていい」と思える場所を、地域の中につくり続けていく。

かつての学校が、いまでは地域の拠点として生まれ変わり、毎日だれかの声と笑顔であふれている。
福祉と地域、子どもと大人、支える人と支えられる人「その境界線を」なくしていきたい。

■ 「わたしたち」で歩む、これから

プロジェクトが始まり、まだ4年。
けれど、すでに多くの人が関わり、共に動き出している。

建物の改修、イベントの企画、花の生産販売やガーデニング計画など、まだまだやることはたくさんあるが、地域の協力もあり、一つひとつが地域をつなぐ力になっている。

「あなた」と「わたし」を分けず、「わたしたち」として共に生きる。
その小さな実践が、この町の未来を少しずつ変えていくと信じて。

■ 結びに ― 校舎に灯るあたたかな光

夜になると、校舎の窓からあたたかな明かりがこぼれる。
かつて勉強机が並んでいたその場所で、今は大人も子どもも一緒に笑っている。

「また、この場所に光が戻ったね」
地域の人のその一言に、ぼくたちの活動を支えられているんだよね。

この廃校から始まる物語が、地域と福祉をつなぎ、新しい希望の灯をともしていく。
そんな未来に向かって、これからも一歩ずつ、みんなで歩いていきたい。


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