撤退戦について考える。

「撤退戦について考える。」
このブログは、2017年の3月に書いた記事を加筆修正したもの。
前回のブログで「後でアップデートして書いてく」と載せたんで、忘れないうちに残しておこうかなと。
ちょうどこの頃から、明確に地域や事業について撤退戦を考え始めたんだよね。
投稿日:2017年3月9日
「撤退戦」としての地方創生 ~人口減少時代に、地域が生き残るということ~
先月、社会課題事業に特化したソーシャルカンファレンス『R-SIC』に参加してきた。
今回は、この「R-SIC」に参加して得た気づきや学び、そして当法人が向き合っている地域課題について共有していきたい。
■ 限界集落からの問いかけ:「終わり方」をどう設計するか?

今回参加したセッション「誰が地方創生を成功に導く?~救世主はどこから来て、そしてどこへいくのか~」では、限界集落と呼ばれる地域から市職員の方々が登壇していた。
中でも、茨城県の当法人の拠点と同規模の人口を抱える宮崎県日南市の職員の発言がとても印象的だった。
「今や人口減少は止められない。ならば、どう終わらせていくか。
文化や人の営みをいかに継承しながら“終息”するかを考えることが必要だ。」
衝撃的だった。
地域を何んとか盛り上げて活性化したり、住みやすい地域づくりに奮闘していたところだからね。
終息を考えて働いていることに普通に驚いた。
ただ一方で、現場に根ざしたリアルな問題意識として、妙に納得したのと現実を考える機会になったんだ。
■ 地域で起きていること:教育・医療・福祉の縮小
僕らの活動拠点である稲敷市でも、少子化に伴い小中学校の統廃合が進み廃校が目立ってきた。
1学年に数名という学級も増え、クラブ活動の継続も難しくなり、子どもたちが遠方の学校に通うケースも増えてきた。
それは医療・福祉も同様だ。
人口減により、医療機関や福祉施設のいくつかのサービスが維持できない状況も出てきている。
そして道路や上下水道といったインフラも、人が減って人口密度が低くなればコスト高になり、維持することが難しくなってくる。
こうした現実を前に、「これまでの地域(規模)を取り戻そう」とする従来型の地方創生では限界があるのではないか――
そうした問いが、今回のカンファレンスを通じて強く浮かび上がってきた。
■ 人口の“適正規模”を見据えた「撤退戦」という選択肢
現在、多くの自治体が企業誘致や交通インフラ整備に力を注ぎ、人口増加を目指している。
しかし、それは少なくなくなっていく“人口のパイ”を奪い合う競争に過ぎないし、本質的な解決にはならない。
むしろ、僕たちに必要なのは「今後想定される人口規模に合わせて、地域のあり方を見直す」という視点だ。
たとえばあくまで例えばね。
稲敷市の将来的な人口を2万人規模と仮定する。
その人口規模で安心して暮らせる仕組みをどう整備するか。
教育、医療、福祉、交通インフラをどう再設計するか。
これは単なる縮小ではなく、**「 dignified decline(尊厳ある縮小)」**について。
言い換えると、「未来の住民が安心して暮らし続けられる撤退戦」のデザインだ。
■ 法人の役割:支え合いの仕組みを地域に残す

当法人は、これまで障害者福祉や子どもの学習支援など、地域に根ざした福祉活動を展開してきた。
人口が減っても、「誰も取り残されない仕組み」は必要だ。
むしろ、支え合いの仕組みをいかに持続可能なかたちで残していけるか――
それが僕らの社会福祉法人の使命であると考えている。
都市型の「量」による支援ではなく、地域に適した「質」の支援を目指して。
その先に、僕らの目指す「みんなが支え合うまちづくり」がある。
■ 最後に:地域で生きるという選択
今、多くの人が「どこで暮らし、どのように生きるか」を考え直す時代だと思う。
都市部への一極集中や大量消費の時代から、地に足のついた暮らし方への回帰が少しずつだが始まっている。
自分は、稲敷市でこれからも活動を続けていきます。
人口が減っても、希望がなくなるわけでもないし、「やれること」を地域の仲間と一緒に積み重ねていく。その先に、未来があると信じてるし、それが楽しいからね。
以上。
というのが内容でした。
前回のブログでも書いたけど、書いてから8年も経って、42,000人いた人口も36,000人も減ってしまった。
いよいよ本格的にやばいなと感じるし、自分自身で新たな動きを作らないと生き残れない状況になってきてしまっている。
時間が経ったけど、稲敷市で活動を続けていく思いは変わらない。
けれど、そのためには外部(都市部)から人材を引っ張ってくるしかないし、市外での事業展開を行わないといけない。
なので、とりあえず2拠点生活を始めて行くよって話でした。