スタッフの声
管理者兼相談支援専門員
河野 憲人
蒼天は信念を持って「これをやりたい」と
思ったことをやらせてもらえる場所
法人内外を問わず、その人に合った障害福祉サービスを
相談支援専門員というのは、障害のある方やそのご家族が障害福祉サービスを利用できるように事業所とつないだり、様々な困りごとについて相談に乗り、情報を提供したり助言したりする役割になります。
地域にお住いの方々が障害福祉サービスを利用されるために、利用するサービスを一緒に考え、サービスを利用するためのプランを作成し、その後、サービスを利用した後の状況や感想を確認するということが仕事です。
様々なサービスの中から、その人にとってより良いサービスを選べるようにすることが大切。そのためには、蒼天の事業所であってもフラットに見ることが必要ですから、私は蒼天に所属しているけれども第三者的な立場で動きます。
毎月、稲敷市内や近隣市町村まで、サービスを利用される方々が順調にサービスを利用されているかを確認しに訪問しています。そのため、事務所にはほとんどいません。毎日同じオフィス・同じデスクで仕事というのは苦手なので、性分に合っていると感じています。
障害のある方々の「自分はこうしたい」を守るために
相談支援の根底には権利擁護、つまり障害のある方々の「自分はこうしたい」という思いを守ることがあります。例えば、就労継続支援B型のサービスを利用されている方がいて、周りからは無事にサービスを利用できているように見えるとします。
しかし、このサービスを利用されている方が就職したいと思っているとしたら、そのサービスを受け続けるのはベストではありません。「自分はこうしたい」が守られていないわけです。
僕の立場では、サービスを利用されている方の想いに沿ってサービスを評価しなければならない。その意味では、蒼天のサービスについても特別扱いをせずに採用の可否を判断します。
障害のある方が「自分はこうしたいんだ」と意思を伝えるのは、大変なことです。相談支援は困っていることや生活のしづらさといった、誰もが他人に言いたくない部分を伝えることから始まるわけですし、自分で言える/言えないということもあります。それぞれの方の想いを引き出すために信頼関係の構築には気をつけています。
サービスを利用されている方が自分で選びうる選択肢を知ることができ、自分で考えて「こうしたいんだ」というものにつながれたときには「すごい瞬間に立ち会えた」と感動しますね。それがこのお仕事のやりがいだと思います。
「こうしたい」と思うことや言うことは自由でフェアであるべき
振り返ってみると、この仕事を選んだ原点は、障害のある弟の存在なのだと思います。私が高校生のとき、弟が「何で自分は兄と同じ高校に行けないんだ」と言ったのを聞いて、ショックを受けました。
私も含め周りの人はみな、障害のために同じ高校に行けないのはあたりまえだと思っていた中で、弟は独り「こうしたいのになぜできないのか」という想いを抱いていたのです。
私は、障害があるからできなくて当然というのは何か違うと気づかされ、「自分はこうしたい」と思うことや言うことについては自由でフェアであるべきだと感じるようになりました。それが今の私につながっています。
大学卒業後、その想いを口にしたところ「だったら、精神保健福祉士という資格があるから」と学校に入り直すことを勧めてくれた医療関係の方に出会えたことで、この分野を学ぶことができました。また、精神保健福祉士の先輩は「あなたに合っているんじゃない」と新設の精神科クリニックでのアルバイトに誘ってくれました。そのように様々なご縁があって今の私がいます。
代表との出会いは蒼天に入るはるか前
代表との出会いもご縁ですね。入り直した学校の実習先で彼が働いていたのです。同い年で学生時代にバスケをしていたなど共通点が多く、話が弾んだのを覚えています。
私は卒業してからもバイト先だったクリニックに勤め続け、後に精神科病院でも勤務するのですが、その間も顔を見かける機会が多く、彼が自分で福祉事業を始めたのも知っていました。
彼は「利用者のことを決めつけない」「重い障害の方でも、来たいという想いがあるなら諦めずに1回会ってみよう」というスタンスですごく信頼が置けました。「蒼天に来ないか」と声をかけてもらったとき、とても嬉しかったですね。
誰もが「困っている」「こうしたい」と言える、相談できる場所を目指して
蒼天に入るとき、前職から携わっていた相談支援を引き続きやっていきたいと伝え、これまでずっと相談支援を続けています。蒼天は信念を持って「これをやりたい」と思ったことをやらせてもらえる場所ですね。手を挙げることに関してすごいウェルカムな、開かれたマインドがあるんです。代表からしてそういう人ですし。
ただ彼は、ウェルカムなんですけど、シャイなんですよ。自分から「いっしょにやろうよ!」と声をかけるタイプではない。でも「私はこれがやりたい!」という人には、とても来てほしいんです。
そういう人が来てくれれば、お互い楽しいですし、いい化学反応が起きてより良い職場・法人になっていくのだろうなと思います。僕個人としては、今1人で相談支援をやっているので、相談支援を担う人に来てほしいですね。
法人としての蒼天には、誰もが「困っている」と言える、「こうしたい」と相談できる場所となってほしいですし、そうなれば誰かの困りごとを我がこととして捉えることが普通な世の中に変わっていくと思いますから。